ホステスに求められるもの1. どんなことでもある程度会話できる「知性」
ホステスに求められる素質として、どんな事でもある程度の会話が出来る知性が必要です。
前述したように、クラブには毎日様々なお客様が来店されます。
それこそ社会的な立場には差がありますし、仕事や収入、住まい、趣味、家族構成などには違いがあります。
その違いを理解した上で、そのようなお客様にも柔軟に対応出来る臨機応変さや、様々な会話に対応出来る知性が絶対に必要です。
下ネタが好きだからと言って政財界の重鎮にいきなり品のない話をすると場違いですし、最悪「あの子は品がない」と思われてしまいます。
(もちろん中には品のない会話が好き、と言う方もいらっしゃいますが)
相手を見ながら、最初は無難な会話からだんだん個人的な話に進めていければ理想です。
例え表面的な会話だとしても、様々なお客様と色んな会話をしなければならないので気疲れするのは確か。
でも楽しそうにされているお客様の笑顔を見るとこちらも頑張れますし、様々な立場のお客様から教えて頂ける事も多く、ホステスは知識欲を持つ女性や教養を深めたい女性にはピッタリのお仕事です。
そのためには日頃から色んなニュースや話題に接するのはもちろん、他のホステスとの会話のキャッチボールや連携プレーが出来るかどうか、どんな会話にも柔軟に対応出来るかどうかが大切。
つまり知性のある女性なのかどうかが常に試されているのです。
ホステスに求められるもの2. お客さんを明るく迎え入れる「社交性」
ホステスはお店の顔。
そんなホステスが暗い顔をして俯いていてはいけません。
お客様がご来店されるとわたし達は「いらっしゃいませ」と明るい笑顔でお出迎えします。
「どうぞ、心ゆくまでお寛ぎください」と笑顔で対応するのはもちろん、お客様がどんなに荒れた気持ちでいても明るく対応しています。
もちろんホステスも人間ですから「昨日、彼氏と喧嘩をしてイライラしてる」という日もあります。
けれどそれはあくまでもホステスの事情。
お客様には一切関係ありません。
ホステスとしてお店に立てば、わたしはいつも笑顔で明るくお客様に接するように心掛けています。
そのせいか「ほなみちゃんはいつもニコニコしていて、とても幸せそうに見える」と仰って頂けています。
他のホステスも明るく優しくお客様を迎え入れていますので私だけがニコニコしているわけではないのですが、やはり笑顔は大きな武器になりますね。
もし銀座や六本木の高級クラブで働きたいのであれば、自分の感情で接客するのではなく、まず笑顔でお客様に接する事。
明るさや社交性を忘れない事です。
「どんなお客様がご来店しても、私は明るくお迎え致します」の気持ちが大切です。
ホステスに求められるもの3. 相手の伝えたい気持ちを汲める「忖度」
ホステスはお客様の言葉遣いや目線、仕草などの絶えず観察しています。
会話の途中で「それはちょっと……」とお客様が表情を曇らせたなら、その小さな変化を見逃さないでください。
その時の話題が家族の事であれば、それ以上深堀りしない忖度が必要ですね。
先日、とあるお客様と「どのような趣味をお持ちなのですか?」と言うお話をさせて頂きましたが、「いやあ……。あまり人に言えるような趣味じゃないんですよ。恥ずかしい趣味なんです」と声が小さくなりました。
でも私をじっと見て話を聞いて欲しそうにされていたので「お客様のお話にとても興味があります。もしよろしければお話を聞かせて頂けませんか?」と促すと、お客様はアニメや漫画、フィギュアなどがお好きで「でも大の大人の趣味じゃないので恥ずかしい」と言いながら、好きなアニメのお話をされました。
アニメや漫画の事はあまり詳しくないのですが、お客様が楽しそうにお話されているのを見るとこちらも楽しく、結局50分近く趣味のお話をお聞きしていました。
お客様は「きちんと話を聞いてくれて本当に嬉しかった。他のお店だとなかなか喋れないんだ」と仰り、次もボトルを入れてゆっくり過ごしたいと満足されたようでした。
お客様の声色や目線、仕草などをチェックしながら、どの話題を深堀りするか、それともスルーするかはある程度ホステスの力量に掛かっています。
お客様が満足されるかどうかは「ホステスの忖度力」に掛かっているのです。